教科書の予習のために! ~PQ4R法~

テキストの読解のためには、まず一通り読んでから、もう一度、詳しく読み直すことが効果的です。このような読み方は、レポートの資料として、本の内容を把握するときだけでなく、通常の授業で用いている教科書について予習をするときにも効果的です。ここでは、Thomas & Robinson (1972) が提案しているPQ4R法について紹介します。以下の段階を踏み、「何がわかったのか」を事前に自分で確認して、教科書やノートに書き込んでおくことを薦めます。教科書の予習も「授業前に一度目を通しただけ」ではあまり意味がないのです。

1. 下見 (Preview)

その章で論じられているテーマを見つけるために、章全体を概観することです。章の中にいくつかの「節」が設けられていると思います。各節を単位として、それぞれの節ごとに以下の254段階を踏みましょう。

2. 問題 (Question)

1節ごとに問題を設定しましょう。いきなり問題を作るということがむずかしいなら、節の表題をちょっと変えると適当な問題となるでしょう。たとえば、ある節の表題が「読みの3つの段階」だとするなら、「読みの3つの段階とは何か」という問題を設定すればいいのです。

3. 読解 (Read)

設定した問題を解きながら、注意深くその節を読みましょう。

4. 熟考 (Reflect)

よく理解するように、具体例を思い浮かべながら読みます。論じられているテーマを、具体的ですでに自分が知っている知識に関連づけるように読みながら、教科書の内容についてじっくり考えましょう。

5. 暗唱 (Recite)

節の予習を終えた後に、そこに書かれていた情報を思い浮かべてみましょう。その節で設定した問題に答えてみましょう。もしよく内容が思い出せなかったり、問題にまったく答えられないならその節はもう一度読みましょう。

6. 復習 (Review)

以上のことを節ごとに行ない、章全体の予習を終えたら、主要な点を思い浮かべながら、頭の中で全部について詳しくチェックしてみましょう。節ごとに読んだだけではわからなかったことが章全体を読んだ後ではわかったり、理解の仕方が変わっていることもありますので、再度、節ごとに設定していた問題に答えてみましょう。

予習の段階で教科書を読んでも、よくわからない箇所があるのは当然のことです(だからこそ、授業が大事なのですから)。みなさんにとって重要なのは「何がわからないのか」「何がわかったのか」を事前に自分で確認しておくことです。これができていれば、授業中にもメリハリのある聴き方ができ、集中力もアップするはずです。

引用文献:Thomas, E. L. & Robinson, H. A. 1972. Improving reading in every class: A sourcebook for teahers. Boston: Allyn and Bacon. (J. R. アンダーソン、富田達彦・増井透・川崎恵里子・岸学訳『認知心理学概論』誠心書房、1982Pp.232-234中に引用)

出典:藤田哲也編著『大学基礎講座』(北大路書房、2002)、56頁。

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